どうも、奈良県でホームページ制作やウェブマーケティングをやっております、インヴォルブ吉村です。2026年、飛鳥・藤原の宮都がいよいよ世界遺産に登録される見込みです。めでたい。地元の人間としては、素直にうれしいニュースなんですよね。

ただ、こういうとき決まって光が当たるのって、だいたい“奈良市”なんですよ。大仏と鹿。もちろん最高です。最高なんですけど、奈良のおもしろいところって、ほんまはもっと南にもあるんですよ。という話を、今日はさせてください。

“中南和”って、知ってます?

いきなりですが、「中南和(ちゅうなんわ)」って言葉、聞いたことあります?奈良の人間はわりとふつうに使うんですが、県外の人はもちろん、なんなら奈良市側の人でもピンとこなかったりするんですよね。ざっくり言うと、橿原から南のエリア。橿原・桜井・大和高田・御所・高取・明日香……そのへんをまとめて、地元ではなんとなく「中南和」って呼んでます。おもしろいのが、これちゃんとした定義がないんですよ。

奈良には「北和・中和・南和」みたいに地域を分ける言い方があって、橿原・桜井・大和高田あたりは「中和」、御所・高取・明日香が「南和」。で、その境目が行政でもけっこう曖昧で、めんどくさいから両方まとめて「中南和」って呼ばれてたりします。みんな匙を投げてるんです(笑)。

でも、それでええんですよ。地元の感覚として「橿原から下はだいたい中南和」。その曖昧さごと、僕はけっこう好きやったりします。

世界遺産は“入口”。中に入ると、めちゃ濃い。

で、その中南和。世界遺産(飛鳥・藤原)はあくまで入口で、中に入るとこれがまあ濃いんです。ちょっとだけ紹介させてください。

橿原市 — 中南和でいちばん大きい街。橿原神宮に、世界遺産の構成資産でもある藤原宮跡。そして今井町。江戸時代の町並みがまるごと残ってる重要伝統的建造物群で、歩くだけで時代がバグります。

桜井市 — 日本でいちばん古いとも言われる大神神社。三輪山そのものがご神体で、空気が違う。山の辺の道を歩けば、そうめん発祥の地とされる三輪も。あと纒向遺跡、いわゆる邪馬台国の候補地のひとつもここ。ロマンの塊です。

明日香村 — 言わずもがな、飛鳥・藤原のど真ん中。石舞台に高松塚、飛鳥寺の飛鳥大仏。すごいのは、これだけの古代が、のどかな田園の中にそのまま置いてあること。ヘタにテーマパーク化してへんのが最高なんですよね。

高取町 — 個人的にめっちゃ推したい。高取城跡は岐阜・岡山と並ぶ「日本三大山城」。城下から本丸までの標高差は、日本の城でいちばんデカいらしいです。麓の土佐街道は薬の町として栄えた古い町並みで、春の「町家の雛めぐり」がまた良い。

御所市 — 「ごせ」です、「ごしょ」ちゃいます(ここ大事)。御所まちの古い町並みに、金剛・葛城の山なみ。高鴨神社は、全国の鴨(賀茂)神社の総本社。京都の上賀茂・下鴨のおおもと、と聞くとちょっと見る目変わりません?

大和高田市 — 派手な観光地という感じではないけど、中南和の暮らしと商いのハブ。電車も人もここを通る。生活の真ん中、という顔の街です。

その先の五條・吉野は、“奥大和”

ちなみに、ここからさらに南へ行くと、五條や吉野。いわゆる山の「奥大和」になります。吉野の桜、十津川、修験の道。これはこれで一冊書けるレベルなので、また別の機会に。今日は“街なかの中南和”の話、ということで。

ええもんは、“置いとかな”無いのと一緒

で、ここからちょっとだけ、仕事の話をさせてください。僕、奈良でウェブの仕事をしてるんですけど、中南和をまわっていていつも思うのが、「ええもんあるのに、ネットに無い」問題なんですよ。めちゃくちゃいい店、すごい歴史、めずらしい行事。地元では当たり前にあるのに、検索しても出てこない、サイトが10年前のまま、SNSも止まってる……みたいなの、ほんま多いんです。

で、ここがポイントなんですけど、いまは人もAIも「ネットに置いてある情報」しか見つけられない時代なんですよね。世界遺産で「奈良の南、なんかあるらしい」と思った人が検索しても、情報が置いてなかったら、その店もその行事も“存在しない”のと一緒になってしまう。これ、めちゃくちゃもったいない。

世界遺産登録って、要するに「中南和を検索する人が、どっと増える」イベントでもあるんです。その波が来たときに、ちゃんと“受け皿”として情報が置いてあるか。そこで差がつくと思ってます。(多言語対応とかECとか、もう一歩踏み込んだ具体策は別の記事にまとめたので、そっちで。今日はもっと手前の、「とにかく、ええもんをちゃんとネットに置こうや」という話です。)

観光協会でも行政でもない、ここで商売してる人間として

僕は観光協会の人でも、行政の人でもありません。ただ、奈良でウェブの仕事をしてて、この中南和が好きな人間です。だからこそ思うんですけど、世界遺産って「来た!」で終わらせたら、もったいないんですよ。光が当たる“今”だからこそ、奈良市だけやなくて、中南和ぜんぶで、ちゃんと発信して、この波に乗っていきたい。一緒に盛り上げていきましょうや。

ちなみに僕ら、その「ちゃんとネットに置いとく」を地でいくために、奈良の観光データを誰でも(なんならAIでも)拾える形でまとめたサイトも運営してます。中南和まわりの記事も置いてるので、よかったら。

- 中南和を数字で見る → data.involve-in.jp/articles/minami-yamato-by-numbers - そもそも世界遺産になった町って、その後どうなるん? → data.involve-in.jp/articles/world-heritage-after

あわせてどうぞ。ほな、また。